一般財団法人 国際協力推進協会
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町6-12
紀尾井町福田家ビル3階

ジャマイカ外務・貿易省二国間関係局長招待計画

ジャマイカ外務・貿易省二国間関係局長招待計画

 APICは2025年4月2日から9日まで、ジャマイカ外務・貿易省のニコレット・ウイリアムズ二国間関係局長を訪日招待しました。

◆APICによるオリエンテーションと歓迎夕食会
 4月3日午前、APICは、ウイリアムズ局長にオリエンテーションを行いました。重家俊範理事長からは、歓迎の後、日本の政治・経済・社会情勢について説明しました。その後、荒木恵事務局長から日程等について説明を行いました。仙台の視察には田中常務理事が、都内のミーティングには荒木事務局長が同行しました。
 また、4月8日夕刻、APICは、重家理事長主催の歓迎夕食会を開催しました。同夕食会には、リチャーズ駐日ジャマイカ大使を始め、上智大学地球環境学研究科の教授や元駐ジャマイカおよびバルバドス大使、外務省中南米局を含め、18名が出席し、和やかな雰囲気の下、ウイリアムズ局長の訪日を歓迎しました。

◆JICA 訪問
 4月3日の午前、ウイリアムズ局長はJICAの伊藤圭介中南米部長に面会しました。2024年7月の巨大ハリケーン被害の直後に、JICAの田中明彦理事長がジャマイカを訪問されたこと、また、日本政府から無償資金協力が行われたことに対して、ウイリアムズ局長から謝意が述べられ、伊藤部長からは現在ジャマイカに対して災害対策分野での円借款を検討中である旨の説明がありました。

JICA 訪問
JICA 訪問
JICA 訪問

◆外務省中南米局長主催の昼食会~駐日ジャマイカ大使館訪問~歌舞伎観劇
 午後は、外務省野口泰局長主催昼食会の後、駐日ジャマイカ大使館を訪問し、夕方から歌舞伎座で歌舞伎を楽しみました。

◆東京消防庁本所防災館で防災体験
 4月4日の午前は、本所の防災館を訪問し、種々の防災体験に参加しまた。防災館では、地震の揺れの体験、初期消火や応急救護(AEDの使い方)、火災の煙からの避難要領など、防災に関する知識や技術を学ぶ体験をしました。ジャマイカは、ハリケーンや地震があり、日本と共通した自然災害があるので、局長も非常に興味を持って参加しました。シアターでは、関東大震災を体験した松本ノブさんが残した記録をもとに作成された動画が上映されましたが、関東大震災を追体験することで、日ごろの防災意識を高め、命を守る防災行動、共助の大切さを学びました。突然襲ってくる大災害に対して命を守るためにどう行動すればよいか、現代にも通じるヒントが隠されています。

◆気象庁
 4月4日の午後の気象庁では、最初に、2階の見学施設で、津波が起こるメカニズムや、地震、火山噴火などの説明を受けました。その後、気象予報・台風・津波観測を行っているフロアーで、モニターが多数配置されている部屋の中を、ガラス張りの廊下から見ながら、予報士からそれぞれの予報士が行っている仕事の内容、特に津波情報の発表や総理への連絡のタイミング、24時間体制で観測していることなど、緊張感の伝わる仕事の説明を受けました。
 その後、地震と火山活動の観測を行っている班の仕事について、担当官から説明を受けました。30年前の神戸の大震災後に導入されたモニタリングシステムなどの説明を受けましたが、ジャマイカにはない近代的な設備に局長は驚いていました。

◆上智大学
 上智大学では、地球環境学研究科(大学院)のプテンカラム教授と黄教授に面会しました。途中から、杉村美紀学長も加わられて、安倍総理のカリブ訪問の際に早下隆士学長(当時)が同行されて上智大学がUWIとMOUを締結していること、また、その後、ケイブヒル校と留学生に関するMOUを締結して、現在、バルバドスから地球環境学研究科に2名在籍しており、それぞれプテンカラム教授、黄教授が指導教官であることから、今後、ジャマイカのモナ校からも留学生を受け入れたいなどの話も出ました。杉村学長が指導している博士課程の学生がジャマイカ人ということで、ウイリアムズ局長も喜んでいました。

上智大学

◆京都観光
 週末は、京都観光で、金閣寺、龍安寺、清水寺、錦市場、西陣織会館、などを訪問し、古都京都で日本の伝統・文化を体験しました。中でも金閣寺が印象に残ったということです。

京都観光
京都観光

◆東北の震災―自然の偉大さと脅威を体感(仙台市~女川町)
● 石巻市震災遺構大川小学校
(1)もともとこの地域は過去津波の被害がなく、市のハザードマップでも津波被災危険地域とはなっていなかった(同校は海に面しておらず、小高い山を挟んで海も見えない)、ものの、その後学校近くの北上川に新北上大橋が架けられ、震災においてはこの橋に津波で流されたがれきがせき止められ、その結果高さ30メートルの津波が方向を変え同校に押し寄せたそうです。14:46の地震発生後、全校生徒は一旦校庭に集まったものの、直ぐに避難を行うことなく、15:36に山ではなく近くの空き地に避難を開始したが、15:37に津波が到達し、全校児童108名、欠席や親族が連れ帰った者を除く学校管理下にあった児童78名のうち74名(うち4名は現在も行方不明)、教職員11名のうち10名が犠牲となったのでした。
(2)宮城県による大地震・津波発生想定と、市教育委員会による防災体制の見直し指示はあったものの、上記の状況から同校の防災マニュアルは山へ逃げるというものになっていなかった。遺族等は事実確認を求めるとともに、学校や教育委員会、県の責任を問う訴訟を起こし、2018年の高裁判決は十分なマニュアルが用意されていれば地震発生と同時に避難が可能で、犠牲も最小限であったとするものでした(最高裁もこれを支持し確定)。
(3)ウイリアムズ局長は極めて厳かにかつ食い入るように説明に聞き入りながら視察され、very sobering experienceとの感想を述べていました。

石巻市震災遺構大川小学校

● 女川町道の駅(シーパルピア女川)(昼食)
(1)被災した女川市の中心部に、新市庁舎を中心に設けられたシーパルピア女川(飲食店、お土産物屋、理容・美容・ネイルショップ等が集まる)で昼食。
(2)昼食後、女川港に面した震災遺構旧女川交番を視察。同交番は2階建ての鉄筋建築だが津波により水没し、津波の力で横倒しとなるという極めて稀な例として震災遺構となっています。

● 東松島市震災復興伝承館
(1)JR仙石線の旧野蒜(のびる)駅舎を復旧・改築したもの。2階建ての同駅舎は、2階まで津波が押し寄せたが、駅職員等は机等を重ねて屋上に避難して無事でした。
(2)館内には、アクロバット飛行で有名なブルーインパルスが所属する自衛隊松島基地(視察中も、時折戦闘機の飛行音が聞こえていました)を含む同市の震災とその後の復興の模様についての各種展示があり、ウイリアムズ局長は英語字幕付き映画(約45分)を食い入るように見入っていました。

東松島市震災復興伝承館
東松島市震災復興伝承館


(以上)

WHAT'S NEW

- 2025.4.17 EVENTS
第416回早朝国際情勢講演会を更新しました。

- 2025.3.13 EVENTS
第415回早朝国際情勢講演会を更新しました。

- 2025.2.20 EVENTS
第414回早朝国際情勢講演会を更新しました。

- 2025.1.16 EVENTS
第413回早朝国際情勢講演会を更新しました。

- 2024.1.1 GREETINGS
理事長挨拶を更新しました。

- 2024.12.19 EVENTS
第412回早朝国際情勢講演会を更新しました。

- 2024.11.21 EVENTS
第411回早朝国際情勢講演会を更新しました。

- 2024.11.15 PROJECTS
【APICだより】ジャニン・エマニュエルさん -太平洋カリブ大学生招待計画参加者のその後-を更新しました。

- 2024.11.1 EVENTS
日・カリブ交流年2024記念 カリブ文化関係者招待計画を更新しました。

- 2024.10.31 EVENTS
太平洋・カリブ記者招待計画2024を更新しました。

- 2024.9.21 SCHOLARSHIP
第9期ザビエル留学生、第8期APIC-MCT留学生、第2期UWI留学生が上智大学/大学院に入学を更新しました。

All Rights Reserved. Copyright © 2008-2024, The Association for Promotion of International Cooperation.