第1期UWI留学生が上智大学大学院を卒業(インタビュー)

「UWI留学生奨学金制度」はカリブ地域の国々の環境問題に関して取り組み、国際社会に貢献できる人物を育成することを目的として、上智大学大学院地球環境学研究科で修士号の取得を支援するプログラムです。西インド諸島大学(The University of the West Indies(UWI))・上智大学・APICの三者間の協定が締結され、2023年度より開始しました。ニキータさんは本制度初の卒業生です。

<プロフィール>
「『カリブの宝石』とも呼ばれるバルバドス出身で、セント・ジェームズ教区の西海岸で育ちました。幼いころから芸術と科学の両方に親しみ、時には歌唱や作曲などの音楽活動も通じて、創造的な表現力やコミュニケーション力を育んできました。西インド諸島大学で化学と環境科学を学び(2022年卒)、その後、上智大学大学院で地球環境学の修士号を取得しました(2025年卒)。創造的・科学的な両方の視点を生かして、人と環境の双方に配慮しながら、持続可能性に貢献したいと考えています。」
1.上智大学大学院で学ぼうと思った理由と、研究内容について教えてください。
私は、環境問題とその解決策を政策決定者や産業界のリーダー、地域社会に伝えることのできる科学者として、地球規模の持続可能性に貢献したいという長年の関心をさらに追求するために、上智大学大学院で学ぶことを選びました。この目標を実現するには、自分がこれまで培ってきた化学や環境科学の基礎を超えて、持続可能で意義ある変化を生み出すために重要な他分野にも関わる必要があると感じていました。
上智大学大学院地球環境学研究科には、分野横断的な教育アプローチと、多様で国際的なコミュニティがあることに強く惹かれました。このような環境で学ぶことで、持続可能性の課題を多角的に考察し、より強靭で公平な未来を実現するための包摂的なアプローチに貢献するためのスキルと視点を身につけられると信じました。
2.日本での学生生活(授業以外も含めて)で印象的だったことは?
日本での学生生活は、学問的な厳しさと文化的な発見が融合した、非常に充実した時間でした。修士論文では、ラテンアメリカおよびカリブ地域におけるクルーズ船の公正な脱炭素化への道筋をテーマに研究を行いました。地球環境学研究科での学ぶ中で、講義やフィールドワークを通じて多様な分野に触れる機会を得たことで、研究手法を磨き、将来に生かせる貴重なスキルを身につけることができました。フィールドワークでは、日本の歴史と、それが環境とどのように結びついているのかに対する理解も、より深めることができました。
授業の外では、同じ専攻の仲間たちと強い絆を築き、互いの考えを交換し合い、多様な視点から学ぶことができました。
APIC‐UWI奨学金は学業を支援してくれただけでなく、日本文化を体験し、カリブ、太平洋、日本のすばらしい人々と出会う貴重な機会も与えてくれました。彼らとは今も続く深い絆を築くことができました。
また、持続可能な技術への関心がきっかけとなり、東京ビッグサイトで開催されたイベントにも参加しました。これは、日本での留学生活の中でも特に印象に残っている出来事の一つです。そこでは、エネルギーシステムから日常の創造的な解決策に至るまで、数々の革新的な取り組みに触れ、日本が環境問題にいかに先進的に取り組んでいるかを改めて実感し、大きな感銘を受けました。
個人的な時間には、春の桜から秋の紅葉まで、日本の四季折々の美しさを写真に収めることを楽しみました。そうした時間は、日々の生活に安らぎとインスピレーションを与えてくれました。総じて、日本で過ごした時間は、研究、文化交流、そして人との深いつながりが融合した、私の将来に大きな影響を与え続ける変革的な経験となりました。
3.日本滞在中、最も心に残っている出来事は何ですか?
私が日本滞在中に最も心に残っているのは、神奈川県の葉山という地域を訪れたときのことです。そこでは、地域住民や漁師の方々が中心となって進めている、海底の再生や古民家の保存など、さまざまな持続可能な地域プロジェクトについて学ぶ機会がありました。子どもたちに海の生き物について、対話と実際の活動を通じて教える姿は、とても印象的でした。また葉山はどこか故郷を思い出させる場所でもありました。海岸や桟橋の景色は、バルバドスのセント・ローレンス・ギャップにある入り江を思い出させ、色とりどりの漁船が並ぶ光景に、懐かしさと深いつながりを感じました。
4.上智大学や日本に来て良かったと思うこと、達成できたことはありますか?
上智大学大学院地球環境学研究科で学んで最も価値があったのは、学際的な枠組みの中で自分の能力を高め、国際的に多様なコミュニティと交流できたことです。日本における持続可能性やテクノロジーへの革新的な取り組みを体験したことで、環境問題に対する理解がさらに深まり、持続可能性の課題を多角的に考察するための視点を養うことができました。この経験を通して、より強靭で公平な未来を築くための包摂的なアプローチに貢献する力を身につけるという、自身の中心的な目標を達成し始めています。また、日本での豊かな文化交流や、この間に築いた人との絆も本当にかけがえのないものでした。多くの目標を達成することができましたが、私の旅はまだ続いており、上智大学と日本での経験によって、その歩みは深く豊かなものになりました。
5.APIC‐UWI奨学金制度について、第1期生としてどのように感じていますか?
APIC‐UWI奨学金は、私の学業全体を通して欠かせない支援を提供してくれました。この奨学金がなければ、このような素晴らしい機会に恵まれることはなかったでしょう。第1期生として選ばれたことを心から光栄に思うとともに、この奨学金を実現するために尽力されたすべての組織や関係者の皆様のご期待に応えられたことを、心から願っております。
6.今後の目標について教えてください。
私は今後、研究をさらに発展させる機会を探し、長期的な目標の一環として博士課程への進学も視野に入れています。一方で、短期的には一度母国に戻り、持続可能な開発の推進や、より持続可能な未来への移行を支えるなど、できるかたちで自国に貢献したいと考えています。
7.これから日本に留学する学生へのメッセージやアドバイスをお願いします。
日々の小さな一歩の積み重ねが未来を形づくることを忘れず、集中を保ち、常に最善を尽くすよう努めてください。 新しい挑戦を試みることや失敗を経験することを恐れる必要はありません。そうした瞬間こそ、自分自身についてより深く知り、周囲の世界をより深く理解するための貴重な機会となるはずです。
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