一般財団法人 国際協力推進協会
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トリニダード・トバゴごみ処理研修

トリニダード・トバゴごみ処理研修
(大崎町長表敬訪問)

2023年6月25日~7月2日、APICは「トリニダード・トバゴごみ処理研修」を実施しました。トリニダード・トバゴ共和国の公益事業省から経済調査・政策・企画局局長のアーリーン・コリス氏、研究アナリスト・固形廃棄物部門主任のアイーシャ・ネルソン氏、トリニダード・トバゴごみ処理事業社から廃棄物システムエンジニアのケビン・ミッチェル氏、物質回収施設監督のケンダル・コリンス氏が参加しました。

トリニダード・トバゴは、廃棄物処理の問題、特に埋め立て処分場の残余年数が逼迫する課題を抱えており、日本におけるごみ処理について視察・研修を行いました。都内では都の焼却施設及び、食料廃棄物の飼料化を行っている民間企業の視察、大崎町(鹿児島)では大崎町とSDGs推進協議会の協力の下、リサイクル日本一の廃棄物処理とリサイクルのプロセスについての成功事例の視察を行いました。本計画は2019年に実施予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期され、この度無事に実施されました。また、大崎町の視察にはこのプロジェクトが実施されるきっかけとなった平山達夫 前トリニダード・トバゴ大使も同行しました。

トリニダード・トバゴごみ処理研修
(APIC事務所にて)

6月26日は都内でまず午前中にAPICにおいてプログラムのオリエンテーションを行いました。コリス氏は公益事業省の期待として、「この訪問によって、私たちは政策側の観点から、持続可能なリサイクルと再利用のための有益で効果的な取り組みを実施するための方針として活用できるような情報を得ることを期待しています。私たちはここに来ることを本当に楽しみにしており、学んだ教訓を持ち帰りたい。」と述べました。午後は、練馬区にある光が丘清掃工場の視察を行いました。都のゴミ回収の現状について学び、回収時の分別の仕方、収集にかかる費用を誰が負担しているか、焼却による発電システム等について興味を持っていて、多くの質問が出ました。その後、株式会社アルフォ城南島第二飼料化センターの視察を行いました。この会社は事業者から出る食料廃棄物を回収して飼料に変換し販売する会社で、こちらもゴミから電気・製品を生み出す、また飼料製造過程においても一切ゴミが発生せずセメントなどにリサイクルされるシステムについて興味を持っていました。

トリニダード・トバゴごみ処理研修
(光が丘清掃工場の視察)

トリニダード・トバゴごみ処理研修
(株式会社アルフォ城南島第二飼料化センターの視察)

翌、27日には大崎町に移動し、最終処分場を視察しました。トリニダード・トバゴでは廃棄物が7m以上に積み重なっているという現状があり、埋め立て処分場内の廃棄物の少なさ、臭いやハエの少なさに驚き、「夢のようだ」と感嘆も声が上がりました。その後、町民の家庭に訪問し家庭での分別の様子を見学しました。大崎町では27品目の分別を行っており、その細かい分別方法や住民主体のゴミの管理・収集方法に驚いていました。その後、大崎町リサイクルシステムについての座学や質疑応答が行われ、一日の視察を通した感想や自国の課題を反映した疑問や質問が多く上がりました。

トリニダード・トバゴごみ処理研修
(最終処分場視察)

28日は大崎町役場で東靖弘町長への表敬訪問を行い、盛大な歓迎を受けました。その後、そおリサイクルセンター・松山有機工場視察を行い生ゴミの堆肥化作業を体験し、実際の仕組みについて学びました。

トリニダード・トバゴごみ処理研修
(そおリサイクルセンターにて27品目分別体験)

29日は大崎中学校で、日本の給食を体験し、生徒と一緒に飲み終えた牛乳パックを洗って開き、乾かす工程を体験しました。学校でも27品目の分別が行われるゴミステーションに驚き、幼少期からの教育が大切であることに言及していました。午後はこの研修を通して自国の課題にどうアプローチするかについてのアクションプランの作成を行いました。公益事業省と実施機関と立場の違いで共通の行動計画の策定に大変苦労しているように見受けられましたが、中・長期的なそれぞれの目標とどのような形で達成していくかについて具体的なアクションプランの作成ができました。新たな法整備、各セクターの協力、住民協力、教育といったさまざまな角度からのプランが立てられ、大崎町側からもしっかりと考えられていたとコメントがあり、また不十分な点については、細かい技術面や法整備について具体的なアドバイスがありました。

トリニダード・トバゴごみ処理研修
(牛乳パック洗浄・分別体験(大崎中学校))

3日間の大崎町での研修を終え、東京へ移動し都内観光を楽しみ、夕方にはAPIC重家理事長主催の夕食会が開催されました。各参加者から、今回の滞在中の感想と成果について報告があり、住民主体で大崎町がゴミ処理に取り組んでいること、また最終処分場の綺麗さにはとても驚いたこと、帰国後は政策側・実施機関側それぞれ協力し今回視察した内容について実践していきたいという発表がありました。

トリニダード・トバゴごみ処理研修
(APIC重家理事長主催夕食会)

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