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西インド諸島大学ケイブヒル校学長招聘計画

西インド諸島大学ケイブヒル校学長招聘計画
(APIC重家理事長主催の歓迎夕食会にて)

2023年4月12日から18日にかけて、西インド諸島大学ケイブヒル校(University of the West Indies(以下、UWI)Cave Hill Campus)のロバート・クライヴ・ランディス(Prof. Robert Clive Landis)学長を招待しました。UWIと上智大学が教育連携協定を締結していることから、上智大学で講演を行ったほか、学長が医者であることから、慶應義塾大学医学部や京都大学iPS細胞研究所も訪問し、研究者と意見交換もしました。今回ご夫妻で来日しましたが、ともに日本が初めてで、庭園に関心があるということで、東京と京都で庭園や植物園の見学も行いました。ケイブヒル校の学長招待は今回が2回目で、前回は2017年6月にバイオレット・ユーディーン・バリトー(Prof. Violet Eudine Barriteau)学長(当時)を招待しました。

4月13日の午前中には、上智大学大学院地球環境学研究科所属で、同大学アイランド・サステナビリティ研究所所長のあん・まくどなるど教授と、コロナ禍による学生の研究活動への影響や気候変動問題(おりしも当日、日本は黄砂が飛来し、バルバドスもアフリカから砂塵が飛来)、アイランド・サステナビリティの概要など、意見交換が行われました。

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(まくどなるど教授(左)とランディス学長(右))

同日午後は、地球環境学研究科主催(地球環境学研究所、アイランド・サステナビリティ研究所、APIC後援)の特別ワークショップが開催され、ランディス学長がキーノート・スピーカーとして、カリブ諸国の特徴にハイライトして、①慢性非感染性疾患(不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒、大気汚染などにより引き起こされる、がん・糖尿病・循環器疾患・呼吸器疾患・メンタルヘルスをはじめとする慢性疾患)、②気候変動、③新型コロナについて、プレゼンテーションを行いました。その後、地球環境学研究所の黄所長から気候変動洪水対策についての報告があり、続いてパネルディスカッションが行われました。パネリストの一人として、APICからは佐藤昭治常務理事が参加し、カリブ海を中心に生息するサルガッサム(地球温暖化が大量発生の原因とも指摘されている浮遊性の海藻で、近年大量発生により生態系に及ぼす悪影響が問題視されている) の利用について問題提起をしました。会場には地球環境学研究科の大学院生を中心に6~70名が参加し、活発な質疑応答が行われました。

西インド諸島大学ケイブヒル校学長招聘計画

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同日夜には、如水会館において、APIC重家俊範理事長主催の歓迎夕食会が開催されました。

翌、14日午前は北里柴三郎記念館を訪問し、癌の研究もしていた学長は、様々なウイルスや細菌のパネル、胃癌の原因となるピロリ菌の写真等を見ながら説明を受けました。江戸時代から現代までの細菌やウイルスに対する予防、治療について詳しく図と解説が展示されているのを熱心に見学し、また、北里柴三郎についても説明を受けました。英語版のパンフレットも入手し、帰国してゆっくり読みたいとのことでした。

同日の午後は、慶應義塾大学の医学部を訪問し、COVID-19対策の責任者である南宮湖 専任講師、上蓑義典 専任講師、竹下勝 助教から、それぞれコロナ対策や分析結果についてのプレゼンテーションを受けました。同大学は、日本でのコロナ対策の中心となっており、ランディス学長もバルバドスにおいて医者としてコロナ対策を行ってきたため、研究者同士で大変盛り上がった意見交換ができ、久しぶりにアカデミックな議論ができたという感想を述べていました。その後は、ご夫妻で新宿御苑を訪問して、都内にある庭園を散策しました。

西インド諸島大学ケイブヒル校学長招聘計画

15日土曜日は京都に移動し、午後には宇治の平等院を訪問しました。本堂にも入り、大きな仏像を見学しました。ホテルに向かう際には、知恩院、平安神宮、祇園、鴨川などについても説明を受けました。

翌16日日曜日の午前は、京都府立植物園を訪問しました。バルバドスではご夫妻でガーデンを保有していることもあって、日本の庭園や植物園に関心が高く、京都の植物園ではじっくり時間をかけてたくさんの植物を観賞し、写真を撮っていました。

同日午後は、大原の三千院と寂光院を訪問し、静寂で自然の美しさを感じられる京都のお寺を見学しました。大原では漬物も試食し気に入ったようで、お茶とともにお土産に購入しました。

17日午前中は、平安神宮を散策した後、京都大学iPS細胞研究所を訪問しました。同研究所では、講師/主任研究者の高山和雄氏と意見交換を行いました。高山氏からは、iPS細胞を取り出すまでに苦労した話や、iPS技術を使って遺伝による疾患、糖尿病、肝臓疾患など治療に繋げるなどの説明があり、コロナ対策など学長からの質問も含めて広範囲に渡る意見交換が行われました。その後、施設内の案内を受け、世界初のiPS細胞を生んだ培養器を見学し、さらに、同研究所の山中伸弥名誉所長・教授の部屋の前を通って感動した様子で、とても有意義な、内容の濃い時間だったようです。

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