一般財団法人 国際協力推進協会
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太平洋・カリブ記者招待計画2023

太平洋・カリブ記者招待計画2023
(Photo by Floyd Takeuchi)

2023年10月14日から25日まで、APICは、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)の協力のもと、「環境保護と防災」をテーマとし、太平洋島嶼国・地域から4名、カリブ地域の国から1名の計5名の記者の参加を得て、「太平洋・カリブ記者招待計画」を実施しました。

参加者は、ソロモン諸島からロバート・ルーク・イロ—ガ氏、バヌアツからアニタ・ロバーツ氏、フィジーからシャヤル・デビ氏、グアムからトマス・A・マングローナII氏、トリニダード・トバゴからライアン・タイラー・ベイチュー氏。加えて、プログラム・コーディネーターとしてフロイド・タケウチ氏、共同コーディネーターとしてドーン・マタス氏の2名も参加しました。この記者招待計画においては、各記者はプログラム・コーディネーターの指導の下、毎日、取材を終えた後、確認・打合せを行い、記事を1本以上執筆することが了解されています。なお、地方視察にはAPICの側嶋常務理事代行が同行しました。

今回、一行は、都内のほか、鹿児島県大崎町、熊本県人吉市、南阿蘇村、熊本市で取材を行いました。

本計画は、2015年以降毎年実施してきましたが、コロナ禍のために2020年と2021年は中止し、2022年に再開して、2023年で通算7回目の実施となりました。

***

◆都内視察とブリーフィング
10月15日に記者たちはプログラム・コーディネーターと合流し、最初の助言を得て都内を経験した後、16日にAPICにおいてプログラムについての全般的な説明を受けました。また、APICの業務等について、重家理事長に個別のインタビューを行いました。それから一行は外務省を訪問し、アジア大洋州局大洋州課と中南米局カリブ室から、各国・地域と日本との関係等について説明を受けました。

太平洋・カリブ記者招待計画2023
(重家理事長へのインタビュー)

◆鹿児島大崎町にてリサイクルの状況を取材
一行は、17日に鹿児島県に移動し、19日朝まで、ごみを27品目に分別し14年連続リサイクル率日本一(2020年、83.1%)を誇る大崎町の取組について視察し取材を行いました。この間、東靖弘大崎町長を表敬し、同町の政策や取組について説明を受け、埋立最終処分場、そおリサイクリングセンター、及び、有機堆肥工場を視察し、同工場では実際に肥料生産過程を体験するとともに、住民たちが実際に分別しながらごみ出しをしている様子を取材しました。また、一行は大崎小学校で6年生との国際交流行事に参加するとともに、昼の給食を一緒に食べ、生徒が、食後、牛乳の紙容器を洗って資源としている様子を見ました。

焼却炉を持たない大崎町は、埋立最終処分場が手狭となる中、焼却炉の設置や埋立最終処分場の拡大ではなく、リサイクルによりごみの量を減らすことを決断し、住民の同意を得て、日本一のリサイクルを実施しています。町のごみのそれぞれ約3割を占める「生ごみ」と「割り箸、草木剪定くず」を利用し、堆肥を生産し、ごみの約6割を資源化した上で、さらに分別によるごみの資源化により8割超のリサイクル率を達成し、埋立最終処分場に捨てるごみの量を減らしているのです。

太平洋・カリブ記者招待計画2023
(肥料生産過程を体験)

太平洋・カリブ記者招待計画2023
(住民による実際のごみ出し視察)

◆熊本県において水害対応と地震対応を取材
一行は、19日に、熊本県へ移動し、人吉市役所で2020年の豪雨災害の状況と被災後に水ノ手橋に球磨川の氾濫危険度を知らせるライティング防災アラートシステムを設置したこと等について説明を受け、水ノ手橋を視察しました。その後、鍋屋旅館で被災の説明を受け復興状況を視察し、大和一酒造元で被災の状況とそれを教訓に改造新築された酒蔵施設を視察し説明を受けました。

20日は、午前中、南阿蘇村の熊本地震震災ミュージアムKIOKUを訪問し、2016年の熊本地震の状況や予め予測することができない地震に対する備え等について説明を受けました。午後、熊本日日新聞社を訪問し、編集局長から2020年の豪雨災害の際の同新聞社の対応や教訓について説明を受け、同新聞社を案内してもらいました。なお、記者たちは同新聞社の記者から取材を受けました。

21日午前、一行は、地震災害から復興途上にある熊本城を訪問し、ボランティアのガイドから熊本城の地震被害や復興状況等について説明を受けました。

太平洋・カリブ記者招待計画2023
(改造新築された酒造施設)

太平洋・カリブ記者招待計画2023
(熊本地震震災ミュージアムKIOKUにて)

◆再び都内視察およびプログラム修了式
22日に記者たちは着物着付けと茶道を体験し、日本文化を学びました。

23日には、世界の水問題にチャレンジするベンチャー企業WOTA株式会社を訪問し、同社の製品について説明を受けました。同日夕方にプログラム修了式と重家APIC理事長主催夕食会が開催され、各記者は取材の成果を報告しました。記者たちは、視察したリサイクルの取組が大変参考になったこと、実施した報道に対し既に自国で大きな反応があったことなどについて、披露しました。

一行は、24日に朝日新聞社を訪問し、ジャーナリスト同士として活発な意見交換を行いました。

太平洋・カリブ記者招待計画2023
(着物着付け体験)

太平洋・カリブ記者招待計画2023
(WOTA株式会社を訪問)

太平洋・カリブ記者招待計画2023
(プログラム修了式)

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