一般財団法人 国際協力推進協会
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インタビュー:駐日ジャマイカ特命全権大使 クレメント・フィリップ・リカード・アリコック閣下(H.E. Mr. Clement Philip Ricardo Allicock)

インタビュー:駐日ジャマイカ特命全権大使 クレメント・フィリップ・リカード・アリコック閣下

駐日ジャマイカ大使館において、特命全権大使クレメント・フィリップ・リカード・アリコック閣下にジャマイカと日本の関係から、文化、経済に及ぶ課題についてインタビューを行いました。また、当日は高瀬前駐ジャマイカ大使に同行していただきました。‎【2016‎年‎2‎月‎18‎日実施。聞き手:APICインターン生 青柳(麗澤大学)、渡邊(上智大学)、松尾(国際基督教大学)。APIC和訳】


Q.近年、日本からジャマイカへ向かう渡航者数が減少していることについて、どう思われますか。

A.この問題は時代の変化に関係しています。1990年代、日本が世界の経済をリードしていた時は、アトランタを経由して現在よりも短時間でジャマイカを訪れることができました。しかし、ニューヨークを経由するようになると、少なくとも20時間はかかるフライトになりました。この移動時間の長さ、費用の高さが問題を生み出してます。

私たちは日本からの来訪者数を増やすべく、新しく観光ディレクターを迎えるとともに、ジャマイカ国内の観光業界と協力するといった取り組みを行っています。ジャマイカが特にターゲットにしているのは20年、25年前にジャマイカを訪れたことのある方です。ジャマイカの来訪者の60%が以前一度ジャマイカを訪れたことがあるというリピーターです。また、近年では、多くの日本人女性が国外に出ていくという傾向がみられるため、若い女性にも注目しています。ジャマイカと日本が双方に利益が出せるように取り組んでいきたいと考えています。


Q.ジャマイカは干ばつに悩まされていると聞きますが、どのような対策がとられているのでしょうか?

A.現在ジャマイカでは、国家雨水利用政策に基づき、新しく建設する全ての家や商業用不動産に雨水貯留タンクの取り付けが義務付けられ、既存の建物にも取り付けが求められています。以前から住民は自発的にタンクを利用していましたが、政府がタンクの取り付けを求めるようになったのはここ最近です。

また、最近では食糧保障に関心が高まっています。私たちは農産業を営む人々に対して援助を行い、彼らの農作物を積極的に消費し、収入を与えるように取り組んでいます。


Q.日本との文化的な交流について、最近の動向を教えてください。

A.スポーツの分野でジャマイカと日本の関係は強いです。日本がジャマイカのスポーツに関心をもつようになったのは、1988年に行われた冬季オリンピックに初出場したジャマイカのボブスレーチームを元にした映画『クール・ランニング』のおかげでしょう。(ジャマイカは雪はありませんが、)ボブスレーにおいて最も重要なのは、「素早いスタート」です。ジャマイカは陸上短距離走のボルト選手が代表するように、スプリンターが強いですね。ボブスレーと短距離走は「素早いスタート」が必要であるという共通点があるのです。陸上競技のジャマイカ代表が鳥取県で合宿を行ったときに、施設の環境やホスピタリティーに感動したそうです。そこでジャマイカのウェストモアランド地区と鳥取県が、この3月に協定を結ぶことになっています。これは日本の都道府県とカリブ諸国が結ぶ初の協定であり、とても素晴らしいニュースです。

また、音楽、食文化での交流は増えていくでしょう。毎年東京で開催されるワンラブ・ジャマイカ・フェスティバルはジャマイカと日本の二国間の関係を促進させる代表的なイベントです。大阪でも同様のイベントが開催されています。このように、音楽や食文化を通じてジャマイカと日本の関係は深まっていくと思います。

インタビュー:駐日ジャマイカ特命全権大使 クレメント・フィリップ・リカード・アリコック閣下
(インタビュー中の様子)

Q.近年のジャマイカと日本の外交関係についてどのように感じていますか。

A.ジャマイカと日本は外交的に古くからのパートナーであると思っています。1962年にジャマイカは独立し、その2年後の1964年に日本と国交を結び、2014年にはジャマイカと日本の国交樹立50周年を迎えました。このように日本とは長い友好関係があります。近年では2013年にポーシャ・シンプソン=ミラー首相が来日し、昨年に安倍首相がジャマイカを訪問したように、国のトップ同士の会合が盛んに行われており、次の50年を見据えた関係の構築が進められているなと実感しています。

余談ですが、アルファベット順の関係で、国際会議の場においてジャマイカは日本は隣の席にいることが多いのです。席が近いと必然的に会話をする機会も多くなるため、国家間の関係を構築していく上で、実は席次も重要な要因となっているのではないでしょうか。


Q.最後に、カリブ共同体におけるジャマイカの立ち位置と今後の動向について教えてください。

A.ジャマイカは現在、カリブ共同体の中で中心的な役割を担っています。それは、1つには、この共同体に所属する国のほとんどは英語話者であり、ジャマイカは西半球では3番目に英語話者の人口が多い国であるということが要因として挙げられます。また、「自由」と「正義」の2つを軸に真剣に考える国民性も影響を与えていると思います。時に「主張が強く攻撃的だ」と言われることが残念ですが・・・。

今後も、ジャマイカはカリブ共同体の核として、各国の結束をより一層強くし、問題解決に努めていくと確信しています。


インタビュー:駐日ジャマイカ特命全権大使 クレメント・フィリップ・リカード・アリコック閣下
(左から:渡邊、青柳、アリコック大使、高瀬前駐ジャマイカ大使、松尾)

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