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インタビュー:西インド諸島大学(UWI)卒業生 シェキーラ・トンプソンさん

インタビュー: 西インド諸島大学(UWI)卒業生 シェキーラ・トンプソンさん

西インド諸島大学(The University of the West Indies(UWI))ケイブヒル校の卒業生で、APIC太平洋・カリブ学生招待計画2016の参加者であるシェキーラ・トンプソン(Shekira Thompson)さんにインタビューを行いました。【2017年7月14日実施。聞き手:APICインターン生 松尾(国際基督教大学)】


Q. 自己紹介をお願いします。

みなさん、こんにちは。私はシェキーラ・トンプソンと申します。バルバドス出身です。UWIでの専攻は経済学でした。

この秋から進学する上智大学での修士課程では、国際経営学と開発学を学ぶ予定です。この度は、カリブ地域の発展途上国における資源経済をテーマとした研究計画書を提出して、文部科学省が実施している奨学金に採用され、国費留学生として日本で勉強することになりました。今は、ちょうど国費留学生が受ける、東京外国語大学での日本語の短期集中講座を終えたところです。


Q. APICが実施している太平洋・カリブ学生招待計画2016に参加しようと思ったきっかけは何ですか?

最初のきっかけは、UWIの指導教授に「日本語を勉強してみない?」とのメールをもらったことです。私はそれまで日本語を勉強したことはなかったのですが、日本アニメのNARUTOをよく見ていたし、日本語には興味があったので、喜んでその機会を得ようと思いました。このような経緯でAPICの学生招待プログラムの申し込みに私が加えられることになったのですが、当時、バルバドスに日本の大使館はなかったので、まさか日本でのプログラムだとは微塵も予想していませんでした。数週間後、教授から「日本に行くことになった」と知らされ、不安もありましたが、プログラムがしっかりとしたものだと知り、行く決心をしました。当時の私は、日本の文化をあまり知りませんでしたが、日本は世界有数の経済大国ということもあり、アベノミクスなど日本の経済的な側面は授業でたびたび取り扱われていたので、その日本を見てみたいという好奇心もありました。


Q. プログラムの前後で何か変わったことはありましたか?

プログラムに参加して自分自身、大きく変わったと思います。プログラム参加以前は、アジアで大学院生活を送ろうとは考えておらず、多くのバルバドスの学生がそうであるように、私もイギリスの大学院への進学を考えていました。ですが、一度日本に来てみて、上智大学はとてもいい大学でしたし、日本で大学院へ通うのもいいのではないかと考えるようになったのです。そして、帰国後に友人から文科省の奨学金制度を教えてもらい、応募したのです。学生招待プログラム以前は、バルバドスでアジアの留学先としてメジャーな中国へさえも留学は考えていなかったので、日本で実際に勉強することになるとは、私自身大きく変わった証だと思います。


Q. 西インド諸島大学(UWI)を卒業後、日本で勉強しようと決心したのはいつ頃ですか?

APICの学生招待プログラムから戻った後ですから、2月ぐらいですね。


Q. 日本の大学院を選んだ一番の理由は何ですか?

確かに、経済学を専門とする学生は、アメリカやイギリスに進学するケースが大半です。しかし、私の研究領域は実践的な経済学であり、その分野において日本で勉強することはとても意義あることだと考えています。基本的にカリブ諸国は規模や資金が限られており、場所的、資金的な制約から持続可能な資源を十分に活用できていないのが実情です。日本はモノづくりの分野において非常に高い技術を有しており、様々なモノの小型化、効率化に卓越しています。どのように日本がモノを安く小型化し、かつ効率的な製品にしているのか、その知識を得ることが日本で学ぶ一番の理由です。また、英語圏でない日本は、英語圏と比べて私にとってはとてもユニークで、全く未知の文化を体験できるという点で日本を選んでよかったと感じています。例えば、バルバドスの人々はあまり保守的でないのに対し、日本の人々は非常に保守的であるということや、日本人の親切さはバルバドスにはないものであるなど、学ぶことが多くあります。


Q. 今回はどのようにして日本で勉強する機会を得たのですか?

文科省の国費留学生として日本で勉強する機会を頂いたのですが、国費留学生として採用されるのは大変難しく、長いプロセスが必要でした。ですので、学生招待プログラム終了後、バルバドスに戻って日本の大学院に進学することを決めたらすぐに応募書類の作成に取り掛かりました。そして、無事奨学金にも合格し、第一志望であった上智大学からも入学許可を頂き、日本の大学院の進学が決定したのです。


Q. 日本での生活はどうですか?

始めは大変でした。食べ物や家族が恋しかったですが、最近では日本での生活様式にも慣れてきました。バルバドスでは夜になると全て閉まってしまうので、夜中でもお店が開いてるのはとてもありがたいです。


Q. 日本の大学院に進学するというシェキーラさんの進路は、UWIの大半の学生の進路とは大きく異なるものですか?また、友人やご家族の反応はどのようなものでしたか?

はい。私の進路はバルバドスでの一般的な大学卒業後の進路とは大きく異なるものでした。私自身、日本で勉強しているUWIの卒業生で、バルバドス出身の人を知らないです。しかし、私が日本に来てから、日本で勉強する機会を探している学生もいるみたいです。たいていの学生は北米、ヨーロッパ各国への留学を選択したり、アジアへの留学と言ったらほぼ全員が中国へ行きます。私は日本を選んで、日本で実際に生活を始め、とても気に入っていますが、なぜ多くの人が日本ではなく中国を選ぶのかと考えてみると、単にバルバドスでは日本留学に関しての情報が不足しているからだと思います。文科省の奨学金も今では私がいた頃よりは認知度が上がって来ていると母が言っていました。

私が日本で勉強すると決めた時、母は大変心配していました。母は日本がアジアにあることすら知らなかったようです。母は、私が日本に来てすぐの頃、バルバドスと日本の時差のせいで混乱していましたが、その後は、私が家を離れて遠くの国に来たことを喜んでくれています。私は日本に来るまで実家を離れたことがなかったものですから、遠くに一人で暮らすのは成長するいい機会になると母も私も思っています。友人たちに日本に留学することを初めて伝えた時は、みんな衝撃を受け、「なぜ日本に行きたいの?」と聞かれました。繰り返しになりますが、アジアと言ったら中国の印象が強すぎるのです。私はそのような友人を説得し、今では私の写真が掲載されている新聞の写真を撮って送ってくれるなど、みんなとても協力的で、私を誇りに思ってくれています。


Q. 日本留学中の目標を教えてください。

修士号を取得するということに加えて、日本語が話せるようになるということと生活面において独り立ちできるということが日本留学中の目標です。日本語能力は、日本語能力試験においてN2※を習得できるぐらいまで伸ばせたらと思っています。

※日本語能力試験のレベルのひとつで、最上級がN1。N2は、日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができるレベルのこと(引用:日本語能力試験公式HP)。


Q. 現時点での将来の目標を教えてください。

上智大学での修士課程を終了したら、開発購買(利益創出活動)や基金収集をどのようにデザインするのか、それにはなにが必要なのか、どのように判断を下すのかなどを間近で学べるような組織で働いた後に、博士号を取りに行きたいと考えています。将来の大きな目標としては、開発、再生可能エネルギー、グリーン経済の分野において専門知識を身に付け、経験を積み、それらを母国に持ち帰ることにより、バルバドスの開発援助に貢献したいと思っています。


Q. 現在、UWIでAPICの学生招待計画はどれくらい知られているのでしょうか?

私が応募した時と比べると断然知名度が上がっていて、多くの学生が日本での1か月間の留学の機会を手にしたいと思っているようです。今までは、経済学専攻の学生が選ばれる傾向にありましたが、より多くの学生に開かれたものになればと思います。


西インド諸島大学
The University of the West Indies (UWI)

西インド諸島の17の国と地域で英語による高等教育を行う大学。3つのメインキャンパス(ジャマイカのモナ校、トリニダード・トバゴのセント・オーガスティン校、バルバドスのケイブヒル校)の他、通信制のオープンキャンパスが各地にあり、英語を公用語とするカリブ諸国における最古にして最大の高等教育機関として、様々な分野に人材を輩出している。

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