一般財団法人 国際協力推進協会
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太平洋・カリブ記者招待計画2019

太平洋・カリブ記者招待計画2019
(プログラム修了式にて)

2019年10月にAPICと公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)の共催で「太平洋・カリブ記者招待計画」が実施されました。本プログラムは今年で5回目を迎え、「環境と防災」をテーマとして、太平洋とカリブ地域のシニアジャーナリストを4名日本へ招待しました。

今年度は10月19日から30日の12日間にわたるプログラムとなりました。今回の参加者はレイラニ・レクライ氏(パラオ)、イレイサ・トラ氏(トンガ)、アンドレ・ヒュイー氏 (セントクリストファー・ネイビス)とクリストファー・セルジュ氏(ジャマイカ)の4名です。また、長年にわたりアジア太平洋地域でジャーナリストとして活躍するフロイド・タケウチ氏に加えてドーン・マタス氏、ギフ・ジョンソン氏がプログラムコーディネーターとして記者の取材や記事の作成に対するアドバイスを行いました。

昨年に続き、今回も「ジャーナリズム・インターンシップ」として、国際基督教大学からピーターソン玲奈ニコルさん、上智大学から久保田弘輝さんの2名が参加しました。学生にとっては、プロのジャーナリストがどのように取材をし、記事を書くかを学ぶ機会として、参加記者にとっては日本の若者の考え方に触れる機会として、双方向への効果が期待されます。

ジャーナリストたちは東京都、神奈川県、熊本県熊本市及び益城町、そして沖縄県の久米島を周り、数多くの取材と記事の執筆を行いました。記者たちは、毎日複数の取材に参加し、その日に関心があった題材や事項について記事(本プログラムでは「ストーリー」と呼ぶ)を書きました。各記事は、プログラムコーディネーターの助言を受けて修正され、それぞれ現地の新聞やニュース記事として報道されました。記者たちは特に、熊本県益城町では行政のみならず、被災した住民、支援するNGOなど多くの人々に会って話を聞けたことを喜んでいました。インターン生も同様にいくつかのストーリーを執筆し、また、参加した4名の記者のパーソナル・プロフィール(紹介記事)も書き下ろしました。

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記者たちが来日した翌日に全体ミーティングが行われ、参加者はお互いの紹介やアイスブレイクをしました。ミーティング後には浅草に行き、日本文化に触れました。

10月21日、記者たちはFPCJを訪れ、APIC佐藤嘉恭理事長と荒木恵理事・事務局長とともにプログラムオリエンテーションを行いました。また、翌日に行われる天皇陛下の「即位の礼」に伴い、日本の皇室についての講義が行われ、記者たちは日本の天皇制や皇室に関する知識を深めました。その後は気象庁に行き、日本における災害や防災についても学びました。最後に独立行政法人国際協力機構(JICA)を訪れ、環境や災害に関する問題や国際協力について取材を行いました。

22日は東京大学、法政大学、首都大学東京の学生たちをFPCJに招き、記者たちとともに皇室に対する意見や意識を主題にディスカッションが開かれました。残念ながら祝賀御列の儀(パレード)は延期されたため見学することはできませんでしたが、記者たちにとっては日本の学生と意見交換し、日本の文化を知る良い機会となりました。

翌日は横浜市資源循環局を訪れ、日本のごみ処理とリサイクル方法を学びました。鶴見資源化センターの見学も行い、記者たちはごみの分別収集や資源化、地域住民による協力について注目していました。その後は東京スカイツリーを訪れ、スカイツリーの建築技術、防災、エネルギー管理について取材が行われました。 (ピーターソン)

太平洋・カリブ記者招待計画2019
(浅草にて)

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24日には熊本県へ移動し、益城町と熊本市を訪問しました。

益城町では、町役場、益城町テクノ仮説団地、災害公営住宅の並ぶ田原第2団地、益城中央小学校、被災者の生活再建を目的に活動される、くまもと友救の会を訪れました。町役場では熊本地震発災時の状況や復興の状況について説明を受けました。益城町テクノ仮説団地、田原第2団地では、住民の方々が今どのような生活を送られているのかということなどを聞きました。益城中央小学校では小学校の生徒と一緒に給食を食べ、記者たちは小学生との交流を楽しみました。被災者を支援しているNGOのくまもと友救の会では、活動内容や経緯についての説明のほか、責任を持ち、社会の一人として被災者に関わることが大切だという話がありました。

太平洋・カリブ記者招待計画2019
(益城中央小学校にて)

熊本市では、熊本城の被害・修復の様子を見学した後、熊本日日新聞社において震災時の報道についての説明を受け、熊本まちなみトラストの方々からは歴史的建造物の復旧に向けた活動について話を聞きました。熊本城は完全復興までは20年かかるということで、修復作業が進められていました。熊本日日新聞社では、災害時に最も必要なのは先を読む力であるという話がありました。熊本まちなみトラストの案内で、実際に修復中の歴史的建造物の中を見学しました。

27日には沖縄県へ移動し、久米島町を訪問しました。久米島初日の夕食は、町の方々と共に過ごし、記者たちは沖縄料理や三線の演奏と歌を堪能しました。

翌日は、町役場で久米島の資源である「海洋深層水」を利用した発電や、海ぶどうやクルマエビの養殖など海産物の生産に結び付けている事例など、様々な側面から街の活性化につながる「久米島モデル」について説明を受けました。その後、沖縄県海洋深層水研究所、クルマエビ、海ぶどう、牡蠣の生産施設、海洋深層水を用いた化粧品の生産会社を訪問し、街の中での海洋深層水活用の様子を視察しました。最後に、米島酒造で泡盛製造の工程についてレクチャーを受けました。

プログラム最終日は、東京日本橋の茶友倶楽部空門でお茶体験と着付け体験を通して日本の伝統文化に触れました。夕方には修了式とAPIC主催の夕食会が開かれ、プログラムを終えました。(久保田)

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