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駐日パラオ共和国大使にインタビュー

駐日パラオ共和国大使にインタビュー

2015年3月13日(金)、日本と関係の深い太平洋諸国であるパラオ共和国の駐日大使であり、また、APIC留学生支援事業の一環で来日している、ザビエル高校の卒業生の先輩でもあるフランシス・マツタロウ閣下へお話をお伺いしました。


Q1. マツタロウ大使は、ザビエル高校の卒業生ということですが、大使の高校生活はどのようなものでしたか?

 私は、現在のミクロネシア連邦のモリ大統領と同級生で、1969年にザビエル高校を卒業しました。当時のザビエル高校は現在とは異なり男子校でした。校舎は日本の協力によって建てられたもので、教室の他にも寮、司祭の部屋、自習室、カフェテリアなどがありました。

 パラオから初めてミクロネシアのザビエル高校に来て最も印象深かったのは、チューク特有のコーラス音楽でした。高校では4年間コーラスに参加しており、そのノスタルジックな旋律によって、私はリラックスすることが出来ました。

Q2. 高校生活で熱中していたものは何でしたか?

 当時は、野球を多少していましたが、ザビエル高校でも人気だったバスケットボールに熱中していました。そのため高校のバスケットボールチームに所属し、チーム内ではフォワードとして活躍していました。

Q3. 今、上智大学に、大使の後輩でもあるザビエル高校の卒業生が日本に留学していますが、ザビエル高校の先輩としてご活躍されている国際人として、日本で勉強することについてのアドバイスがあればお願いします。

 どのような人間関係も友情が根底にあります。そして友情は、信頼と寛大さに基づいて成り立っています。異文化を持つ人間同士の関係性を構築するのに、魔法というものは存在しないのです。ザビエル高校には多くの島からの学生が集まり、多様な文化が共生しています。チューク人はチューク語、マーシャル人はマーシャル語、ポンペイ人はポンペイ語を話し、さらには日本語、フランス語、スペイン語もあります。そこには英語という共通点を除いて、他の国の文化が生きています。だからこそ、異文化を持つ人との関係を築くための準備ができているのです。

 毎年、ザビエル高校から選ばれてくる生徒たちは日本の大学で学業を修めるのにふさわしく、将来的に成長するだろうと期待しています。彼らにとって、上智大学での生活は一種の挑戦になるとは思いますが、それは、彼らの成長の一助になるでしょう。また、日本での生活に最初は戸惑うと思いますが、大学の助けを借りて、新しい習慣や文化に適応していくことが出来ればよいと思います。

 また、小さな島からやって来る、多くの人と関わることに慣れていないザビエル高校の生徒たちにとって、上智大学は安心できる環境だと思います。その一方で、人の多い街に出かけて、少しずつ東京の生活に慣れていってもらえたらいいですね。

Q4. 以前、パラオ国際サンゴセンターのCEOとしてご活躍されていた経験はどのようなものでしたか?

 パラオ国際サンゴセンターは、日本の政府開発援助によるOverseas Development Programの一環として、1999年から約1年間で建てられたものです。私はそこにCEOとして就任し、研究スタッフと共に、主に「海の研究方針」のマニュアル作成に携わりました。また、その後は、研究を通して科学雑誌と携わっていく一方で、パラオ政府と協力をして海洋資源を利用しながら、どのように環境維持をするかということを考えてきました。

 我々の生活の大部分が海に依存しているという背景から、当センターが徐々にミクロネシアの海洋研究機関として知られるようになっていったことを誇りに思っています。


<感想>

 ザビエル高校の卒業生として国際的にご活躍されている大使に、学生としてインタビューさせて頂けた機会に心より感謝申し上げます。ミクロネシアは、日本とは違い多様な文化を共有し合うということが行われている一方で、私たち日本人はまだまだ閉ざされた環境の中にいるのだなと感じました。私たちも、留学生との関わりを通じて相互理解に努めていきたいと思います。(国際協力推進協会 インターン 南萌嘉・田森明美)


駐日パラオ共和国大使にインタビュー
(左から小原、田森、マツタロウ大使、南)

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