2004年3月号
Contents
- TOP
- 1.特集
- 2.PEOPLE

- 3.FROM THE MEDIA 最近の報道記事から
- 4.国際協力トピック
- 5.国際協力講座
- 6.ODA+NGO
- 7.開発教育/国際理解教育の現場から
- 8.INFORMATION
- 9.国際協力プラザコーナー
2.PEOPLE
地球規模の諸課題に
しっかり向き合ってほしい
赤石 和則
Kazunori Akaishi
拓殖大学国際開発学部・国際開発教育センター教授
1948年、岩手県生まれ。
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。
タイムライフ教育システム、東和大学国際教育研究所教授などを経て現職。
2004年4月より開講される「国際開発教育ファシリテーター養成コース」では、コーディネーターとして運営を担当するなど、開発教育の推進に尽力。
1980年代、国際協力の現状を調査するため、欧米のNGO、政府機関、国連機関など国際協力を行っている機関を度々訪問しました。
そのとき、国際協力と開発教育には重要な関連があることに気づき、以来、約20年にわたって開発教育に携わってきました。
「総合的な学習の時間」の導入で、開発教育に熱心に取り組む先生方が増えましたが、残念ながら日本はまだ、国際社会の課題に緊迫感をもって向き合えるような社会環境になっているとはいえません。他人事のように考えている人が少なくありません。
知識として理解させるのではなく、地域の外国の人たちと交流を深めたり、スタディー・ツアーで実際に途上国を視察するなど、学習する側が自発的に国際協力に関心をもつことができるように導いていくことが、一番の課題です。
開発教育は応用自在で、様々な視点からの学習が考えられます。手法を論議するだけではなく、いかに主題・内容に目を向けさせるかが問題です。

東北タイ農村の「子どもの家」にて、
日本からのスタディー・ツアーの
大学生一行とともに(右端が赤石教授)
そして教育現場に限らず、子どもも大人も問題意識を強くもって、自分の意見を表明し、地域社会の一員として役割を果たせるような社会を構築していくことが必要です。
開発教育の本来の目的は、貧困格差や紛争、環境問題など地球規模の諸課題を抱える開発途上国の人々に直接向き合い、同じ地球社会の一員として国際社会の課題を考えること、そして課題の解決に向けて何ができるかを考えることです。それは直接的な援助活動と同じくらい重要なことです。
開発教育は、長期的な視点で国際社会の課題に目を向けることのできる人を育てるための種まき活動で、国民参加型の国際協力を本質的に推進するためのきっかけを与える有力な手段であると考えています。その意味で、昨年夏改定された新ODA大綱で、開発教育の拡充が謳われたことは重要な意味があると思います。
開発教育や国際協力への関心が、教育現場やNGO活動などを通して一層高まることを期待しています。異なる意見や考え方を排除するのではなく、お互いが協力し、学習する側の意欲を引き出せるように長い目で取り組んでいきたいですね。そのための具体的な教育内容(カリキュラム)を、今後も積極的に提案していきたいと考えています。(談)
本文ここまで
