理事長コラム

「2012年の新春を迎えて」

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 財団法人国際協力推進協会の賛助会員、個人会員並びに支援者の皆様、そしてそれぞれのご家族の方々のご健康と安息を心からお祈り申し上げます。

昨年、日本は東日本大震災という未曽有の大災害に襲われ、そして、その際に発生した福島第一原子力発電所の大事故は大量に放出した放射線による汚染などをもたらし、これまで日本が経験したことのない悲惨な事態となりました。今なお、復旧の滞りに困窮し、長期にわたる原子力災害の収拾に苦闘している日々であります。改めて、犠牲になられた多くの方々の鎮魂を祈念しつつ、被災者の方々に対し心からのお見舞いを申し上げます。2011年の災害は日本国内の災害史はもちろん世界的にみても巨大な災害であり、この経験から引き出される色々な教訓をしっかりと捉え、 これを何時までも語り継ぎ、所要の対策を講じてゆくことは日本の国際社会に対する責務であると思います。
災害時に地域の方々が示された助け合いの勇気ある行動は、日本人の人間としての高貴さを示すものとして国際社会により全幅の称賛を受けました。また、困難を一つ一つ克服しつつ英知と行動をもって復旧へ立ち向かっておられる地域の方々のお姿を拝見するにつけ日本人の自助努力の根強いことを感じ、勇気づけられます。特に、復興へ向けての若い世代の方々の意気込みは日本の将来に大きな希望を抱く次第であります。

 災害発生時以来、世界各国、国際機関並びに民間組織などから物資や人員、義捐金など多大な支援を受けました。こうした国際社会の好意に応えるためにも本年も災害の復旧、復興に懸命な努力を重ねる年となりましょう。

 日本は世界の色々な国々との協力関係を維持、発展させることなく繁栄することは出来ません。財団法人国際協力推進協会は1975年の発足以来、このことを主張してまいりました。グローバリゼーションが深化し情報伝播の速度が格段に増大している現下の国際社会にあっては、国際社会の平和と発展を確かなものとするための統治規範の成熟には国際協力の質を一層高めることが求められています。

 世界の政治経済情勢は多くの課題に直面しています。米国経済の停滞、欧州に於ける財政・金融危機、エネルギー資源の価格高騰、発展する中国との関係、発展途上国の開発問題、貧困問題、グローバルな安全保障問題並びに東アジア地域の諸問題など枚挙にいとまがありません。

 本財団法人は、我が国を取り巻く国際情勢に関心を持ちつつ、引き続き民間の立場で国際協力の推進の役割を担ってゆく所存であります。外務省高官による日本外交並びに重要国際情勢についての背景説明、諸外国の駐日大使による講演会(外務省後援)などの事業を一層充実して参ります。これらは国際協力に参画する人々の活動に資することを目指しております。また、外務省の協力を得つつ、太平洋島嶼国並びに中米カリブ諸国との経済協力事業にも取り組んでまいります。

 本年も皆様方の一層のご協力とご支援を頂きたくお願い申し上げ、新春のご挨拶にかえさせて頂きます。(平成24年1月記。)