一般財団法人 国際協力推進協会
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理事長コラム(2022.6)

 5月の連休も終わり、心配されたコロナ感染も抑制されておりひとまず安堵しています。改善の状況が続くよう願っています。

 当協会は、上智大学と共同してミクロネシアのザビエル高校卒業生の留学(4年)事業を実施しており、現在4名の留学生が在学中です。しかしコロナ感染規制により、この2年間は日本に渡航することができず、新入生もミクロネシア等でのオンライン授業を余儀なくされてきました。しかし3月政府の規制が緩和され、4月上旬に留学生が渡日することが可能になりました。留学生は一定期間隔離の後大学の寮に入り、キャンパス生活を始めています。

 先日、今般来日した留学生等と会う機会がありました。皆しっかりした、健康的な若者達で、張り切っていました。きれいな言葉を話していることにも印象付けられました。これからの人生を大いに切り拓いて行って欲しいと心で願った次第です。当協会としては、留学生が勉学を進めるとともに、留学を通じて日本との絆を大事にしてくれることを期待しながら、本奨学金制度の一層の充実に心掛けて参ります。

 ザビエル高校は、ミクロネシアのチューク島のマブチ・ヒルにキャンパスを持つ、学生数約200名のミクロネシア地域で最も有名な高校です。1952年にイエズス会カトリック私立高校として開校、ミクロネシアのみならずパラオ、マーシャル諸島からも優秀な生徒が入学しており、現在パラオの学生も上智大留学中です。同校は、ミクロネシアのモリ元大統領、パラオのレメンゲサウ前大統領、マーシャル諸島のカブア現大統領等多くの指導者を輩出しています。

 この事業は、皆様方の貴重なご寄付やご支援により可能となっており、この機会に改めて深くお礼を申し上げます。今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。

・・・

 最後に、最近の太平洋島嶼国の動向につき若干ご報告したいと思います。コロナ感染については、島嶼国は「厳しい水際対策」を取り、昨年末までは感染フリーないし低い水準に抑えることに成功してきましたが、今年に入り一部の国で感染事例が判明しました。島嶼国にとり感染病は存立に関係する最重大事として対処してきた歴史があります。関係国は厳しい措置を続けています。第二に、ソロモン諸島と中国が4月に安全保障協力協定を締結、波紋が広がっています。5月末中国の外相はフィジーを訪問、島嶼国10か国との会議を開催、安保、通信、経済協力等を含む包括的な中国・島嶼国協力合意文書に署名しようとしましたが、関係国の総意を得るに至りませんでした。かかる動きの中で、3月から5月にかけて豪州の外相や米の高官等が相次いで地域を訪問しました。5月上旬には林芳正外相がフィジーとパラオを訪問、4月下旬には上杉謙太郎外務政務官がソロモン諸島を訪問しました。太平洋島嶼国も国際情勢の荒波を受ける時代になっています。これら国々が平和で安定した環境の中で気候変動を含めその発展を確実にし、夫々の生活様式を守っていくことが出来るよう我が国等の支援が益々重要になっています。


(2022年6月21記)


一般財団法人 国際協力推進協会
理事長 重家 俊範

(本頁の内容は、APIC会報誌第14号冒頭に掲載しているご挨拶文と同様です。)

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